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【リレーエッセイ】「息子よ、親孝行させてくれてありがとう」/2017年3月1日発行

更新日:2017/03/01

今回のエッセイは、塾講師 加藤有喜子さんからのバトンです♪

筆者

社会保険労務士 西村 静代さん    

「息子よ、親孝行させてくれてありがとう」

 20代の頃に参加したセミナーで「人生で実現したいことは何ですか?」と聞かれたことがある。私は、「両親に孫をみせてあげること…」と答えたが隣の席の知人には「そんなこと簡単でしょう」と笑われた。両親の想いも分かっていたし、私は一人っ子のため私しかいないということもあって、どうしても実現したいと思っていた。そして私ができる最大の親孝行だと思っていた。

 しかし、これがなかなか簡単なことではなかった。そんな思いを持ちながら気づけば30代半ば…。口には出さないが、両親も半分あきらめ気味だったのかもしれない。しかし、ついに私もご縁あって無事結婚が決まり、思いには一歩近づくことができた。
 結婚式では、誕生日の近かった父にサプライズでお祝いをし、とりあえずは「孫の手」で我慢してねとプレゼントを送った。そして、翌年にはその「孫の手」が本当の孫の手に変わることができたのだ。

 男の子なので父は特別嬉しかったようで、初めて鯉のぼりが空を泳いだ姿を感慨深げに眺める父の後姿を見たとき、やっと親孝行ができたのかもしれないと思えたことを今でも思い出す。
 私は母となり、仕事と育児の両立に奮闘の日々を過ごしている。今の生活が成り立っている背景には、両親の支援は絶大である。そしてまた、想像はしていたがそれ以上に両親の孫への愛情は半端ない。そんな両親の思いはしっかり息子に伝わっていて、おじいちゃんとおばあちゃんが大好きだ。たくさんの笑顔を与えてくれている。

 寝かしつけをしていたある日、3歳だった息子から「ママに会いたくてこの4階のお部屋に来たの」と言われた。思いがけない言葉に泣きそうになった。
 子どもは親を選んで産まれてくると聞くけれど、息子もそうして私たちのもとにやってきてくれたのだろうか。ママと呼んでくれる存在がいること、ママにしてくれたことを思うと恥ずかしながら今でも涙が出てくる。
 そんな息子に気づかせてもらったこと。息子が産まれてくれたことで親孝行できたと思っていたけれど、本当は私たちのもとへ息子がきてくれたからこそ、その息子の姿を通して私はずっと親孝行させてもらっているんだということ。そして、私自身もまた今の両親を選んで産まれてきたんだと、この両親のもとに生まれてきて本当に良かったと思っている。どれだけの愛情を注いでもらい育てもらったのか、たくさんのことを息子を通して気づかせてもらった。そこに本当に感謝しかない。

 「ママ怒らんでー」と言われながら反省の日々であるが、息子の心の声を聴きながら母としたくさんの愛情を注ぎながら息子との日々を大事にしていきたい。
私が両親からしてもらってきたように。息子よ、親孝行させてくれてありがとう。




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