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2015年5月1日発行メールマガジンより

更新日:2015/05/01

今回のエッセイは、高知県庁県民生活・男女共同参画課の田中健さんからのバトンです♪

筆者

高知県庁文化推進課 伊尾木 貴晴さん

「とっとがいないと言って泣いた日」

 我が家には、もうすぐ2歳になる息子がおり、同業者の妻と二人で、一人前の男の子に育てあげるべく頑張っているところです。そんな我が家の男女共同参画としては、家事、育児とも特に明確な役割分担はなく、気付いた方が行うというものです。
 とはいえ、決して自慢ではありませんが、私の場合一人暮らしが長く、学生時代には、飲食店で調理のアルバイトをしていたことがあるので、皿洗いは得意ですし、簡単な料理なら(炒め物が主ですが)つくれますし、魚を多少さばくこともできます。また割ときれい好きと自分では思っているので、炊事、洗濯、掃除(ただし、水周りの掃除は苦手です)などは私が大部分やっています。朝も、妻が起きると子どもも一緒に起きてしまうため、私が先に起き、味噌汁をつくったり魚を焼いたりと朝食の準備もしています。(妻が先に起きて、朝食の用意をする日ももちろんあります。念のため補足致します。)
 このように、自分ではなかなかいい父親ではないかと思っていましたが、今思い返せば、育児は妻に任せっぱなしにしていたのではないかと感じています。もっと言えば、育児を妻に押し付けるために、それを正当化する理由として、自分が家事をやっていたのではないかと感じています。
 うちの子は母親にべったりで、お昼寝の時も、夜寝る時も、仰向けになった妻のお腹の上に腹ばいにならないと寝付くことができず、外に出かけた時などは、妻の姿が見えなくなると、もの凄い勢いで泣き出すという具合でした。
 一方、休みの日に私が子どもをおいてどこかへ出かけたとして、「ばいば~い」と手をふり、別に悲しむ様子もなく、普通に「じゃ」という感じで送りだされます。
 私は、「うちの子は男の子だし、甘えん坊でお母さんが好きなのは当たり前だ!男同士でべたべたしてもしょうがない!」などと、自分の育児のしていなさを棚にあげ、私に対するこのそっけなさは、ひとえに息子の性格によるものだと、自分に都合のいいように考えていました。しかし、先日聞いた講演でこの考え方は間違えていることに気付かされました。
 その講演は、育児休暇を取得したことのある男性のお話で、曰く「子どもが父親になつかないのは、父親が育児をしていなからだ。」と。
 思い当たる節がありすぎる私としては、薄々感じてはいましたが、自分の子どもへの関わり方は間違えている、家事をする代わりに育児をしないでいいなんてことはないのだと考えを改めさせられました。
 以来、子どものことを最優先に考え、行動するようにしています。休みの日には、息子と二人だけで散歩に出掛けるという機会も増えましたし、数える程ですが、私だけで寝かしつけることにも成功しました。そんなふうに息子と関わる時間を増やしていった結果、先日、どうしても、用事で家を空けなくてはいけなくて、それまで一緒に遊んでいた息子に「ばいば~い」と言ったところ、息子の顔から笑みが消え、みるみる目に涙をため泣き出すということがありました。時間に追われていたので、私はすぐに出掛けてしまいましたが、後から妻に聞いたところ、「とっとー、とっとー」となかなか泣きやまず苦労したとのこと。妻は、息子の機嫌がただ悪かっただけだと、これまたそっけないことを言っていましたが、私としては、自分の気持ちが息子に通じているのではないかととても嬉しく思ったことでした。このように徐々にではありますが、自分が愛した分、息子も愛情で返してくれているではないかと思えるような機会が増えてきました。この先、厳しく接しなければいけない場面ももちろんでてくるだろうと思いますが、それも含め妻と二人で協力しあって大きな愛情でもって一生懸命子育てを頑張りたいと思っています。 




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