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【リレーエッセイ】「男女平等ってなんだろう」/2016年3月1日発行

更新日:2016/03/01

筆者

道の駅駅長 山本 宏幸さん

「男女平等ってなんだろう」

 「世の中は女性であるだけで不公平。女性は男性に比べて給料は少ない。なのに女性が商品を割引で買える訳ではないし、入場料が安くなる訳でもない。仕事上でも女性は男性の何倍も努力しないと同等の能力と見做されない」これは20年以上前にある独身女性が呟いた一言です。
 以来、この言葉が私の脳裏にこびりついて離れません。彼女の指摘どおり日本社会が男性有利であることは事実ですし、それは今だに解決されているとはいえないからです。

 ところが日本国憲法第14条にはこうあります。「すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において差別されない」この憲法に保障された筈の「性別の平等」がどうして実現できていないのでしょうか。

 他方世界では、男女平等を実現するためには、まず立法機関である議会の議席を男女同数に近づけるべきであるという「ポジティブ・アクション」と呼ばれる法律を制定している国があります。その法は、(1)議席の一定数を女性に割り当てる、(2)議員候補者を男女同数とする、という2制度に大別されるようです。

 さて安倍政権は「女性活躍社会の実現」を掲げています。しかしどうも、ただの絵に描いた餅に思えてなりません。何故なら、女性の社会参加を促すというのであれば、まずは前述のような「性の不平等を正す法の制定」が先決ではないでしょうか。「夫婦同姓を規定した民法750条は合憲である」先日、最高裁判所が下した判決は私に取って2つの点で興味深いものでした。

 まず、15人の判事構成のうち、女性判事3名全員と男性判事2名が民法750条は違憲であるとした点です。判事の男女構成が同数であれば違憲判決が出された可能性が非常に高いと思うのは私だけでしょうか。

 次に、そもそも「憲法の番人」である最高裁判所こそ率先して、男女比を正すべきであるし、こういった性の平等に関する訴訟においては(利益相反とまではいかなくても)判事は男女同数であるべきでしょう。

 また、判決は「選択的夫婦別姓制度に合理性がないと断ずるものではなく、この種の制度の在り方は社会の受け止め方に依拠するところが少なくなく、国会で議論・判断されるべきだ」と続きます。要するにこの判決は夫婦別姓制度を全面的に否定したものではなく、むしろ社会変化に合わせて立法府こそが率先して議論を深めるべきであると指摘しているのです。

 この指摘は1996年、法制審議会が『選択的夫婦別氏制度を含む民法改正』を国会に答申したにも係らず、保守層の反対によって議論が停滞しているらしいことへの揶揄であるように聞こえます。

 ともあれ今夏の参議院選挙から選挙権が18歳に引き下げられます。世論調査では若年層ほど夫婦別姓制度等の改革に寛容な傾向があります。将来、この若年層が人口の大半を占めるようになれば、諸外国のように女性首相や女性大臣が当たり前に登場し、男女同等賃金、男女労働機会均等が実現するのは、そう遠い未来ではないように感じますし、そのような社会が実現することを願っています。
 




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